口コミ【米などのソーシャルゲームのプレイヤー年齢構成比】に続き、ソーシャルゲームのプレイヤーに関する実態を調べた、調査会社ISGによるレポート【2010 Social Gaming Research(PDF)】からのデータを元にした内容チェック第五弾。今回はソーシャルゲームをプレイしている人たちが、新たなソーシャルゲームの情報を入手する場合、どんな場所で耳にし、確認をするのかという問題。ソーシャルゲームの告知をしたいサイドにとっては、気になる項目といえる。





今調査は2010年1月7日から12日にかけてインターネット経由で18歳以上を対象に行われたもので、有効回答数はアメリカが800人、イギリスが402人。そのうち最低でも1週間に15分以上ソーシャルゲームをプレイした人1200人(男性535人・女性665人)を統計対象にしている。なお今回はイギリスのプレイヤーに関するデータは省き、アメリカのみを対象にグラフを生成している。

毎月どころか毎週のように、各ソーシャルメディア上で新規発表され運営が開始されるソーシャルゲーム達。それはまるで創生記から全盛期における(日本の)携帯電話上の、公式ゲームの公開ペース、あるいは話は古くなるが、ファミリーコンピューターの隆盛期におけるゲームソフトの発売ペースを思い起こさせるものがある。そのような「新作の津波状態」の中で、既存のソーシャルゲームプレイヤーたちはどのようなルートで新作のゲーム情報を知り、耳を傾け、「プレイしてみようか」と思うきっかけを得るのだろうか。

↑ 新しいソーシャルゲームの情報はどこで良く耳にするのか
↑ 新しいソーシャルゲームの情報はどこで良く耳にするのか

トップは自分が良く知っている、身近な人からの口コミ。ソーシャルゲームに限らず、信頼がおける人からの口コミほど強力な影響力を持つものは無い。それに、おススメされた時点で勧めた側も大抵はプレイしているから、色々とアドバイスを受けたり共通の話題を一つ積み増すこともできる

ソーシャルゲーム第二位は「ソーシャルメディア上での広告」と「すでに該当ゲームで遊んでいる、オンライン上の友達からの連絡(事実上の勧誘)」。前者はソーシャルメディア、あるいは自分のプレイしているソーシャルゲームにアクセスする機会があれば、目に留まる機会は少なくなく、何度となく見ているうちに気になってくるものだ。後者は「オンライン上の」友達ということで、リアルな姿を知っている友達や親戚、同僚と比べれば口コミの力は弱いが、それなりに耳にもするし、気になるものでもある。

「おや?」と感じる人が多いかと思われるが、ソーシャルゲームプレイヤーにとって、ソーシャルメディア「以外」のメディアルートからの情報は、軽視されているのが分かる。もちろんすべての情報で「ソーシャルメディアからの情報以外は二の次」、というわけではないが、とかく新作ソーシャルゲームに関しては、口コミ以外はソーシャルメディア内で情報収集を済ませてしまおうという傾向が強いようだ。

日本では【テレビCM出稿量の上位陣(2010年6月分)】などでも触れているが、大手ソーシャルメディアがゲームを前面に押し立ててソーシャルメディアそのものの大規模なテレビ上での宣伝を継続している。あれは対象がソーシャルメディア全体そのものだから良いのであって、仮にどれかのゲーム自身を宣伝していたとしたら、どこまで効果があったのだろうか。「テレビを観ている層をケータイに巻き込む」という観点なら問題は無いが、単にソーシャルゲームのプレイヤー人数を増やしたいという場合には、ソーシャルメディア内で喧伝方法の模索をした方が効率は良さそうだ。