南から次々と梅雨入りし、雨の降る日も相応に増えてくると共に、涼しさを覚える今日この頃。メディアクリエイト発表による【週間ソフト・ハードセルスルーランキング】によれば、該当週のセールスランキングの最上位は、前週に続き任天堂の新作「Splatoon(スプラトゥーン)」(Wii U)となった。人間とイカの姿を自由に切り替えできる自己キャラを操作し、人間の時にはインクを使って自分の陣地を広げ、イカの時にはインクの中に潜ってインクの補充が出来る特性を活かし、陣地を拡大していくゲーム。元々シンプルなゲームシステムでプレイハードルが低いことに加え、さまざまな武具を実装して行動にバリエーションを持たせることが出来るのも、自由度の高さと面白さを後押ししている。発売初週は15万本近くのセールスを叩き出し、今回の第2週目でも7万本近い値を計上した。運の要素も多分にあるが、本当に面白い、売れる要素のあるタイトルは、相応の結果を出せる好例ではある。




第2位はスパイク・チュンソフトの新作「不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス」(PSV)。自動生成ダンジョンゲーム「不思議のダンジョン」シリーズ20周年記念の作品で、初のPSVへの展開となる。元々は同じ携帯ゲーム機のDS版からの移植となるが、ビジュアルや操作性の観点で変更が加えられている。元々のシナリオなどはDS版とほぼ同じで、「5」そのものの完成度の高さもあり、初週評価は高め(DS版では2画面操作だったのがPSV版では1画面操作になったことで、やや操作がしづらいとの話はあるが、これはハードそのものの問題なため仕方がない)。次週以降の動向も期待できる。

第3位は「夏色ハイスクル★青春白書 (略)」(PS4)。タイトルの「(略)」は長すぎて略したもので、実際には「夏色ハイスクル★青春白書-転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。-」という、昨今のラノベタイトルにありがちな、語り的長文で大よその概要を説明してしまうスタイル。ゲーム内容もまさにその通りで、オープンワールドの世界の中で主人公が報道カメラマン的な立場から色々な写真を撮り、島の人達と交流を楽しむことになる。色々な意味で意欲作だが、オープンワールドとうたっているものの行動可能領域が意外に狭い、シナリオ面などで不具合が多いなど、「意欲作」以上の領域には達していないとの評価が多数見受けられる。

第4位は「STELLA GLOW」(3DS)。「歌って闘うシュミレーションRPG」をキャッチコピーとした、戦術性の高いシミュレーションゲームで、歌が魔法的な存在としてゲーム展開の中でキーとなる。システムなどはオーソドックスなもので奇を狙ったものでは無く、バランスもしっかりしており、初週評価は結構高め。


↑ 「STELLA GLOW(ステラ グロウ)」公式の紹介映像。

今回計測週では「Splatoon(スプラトゥーン)」が鉄板振りでトップを継続維持したものの、第2位以降はすべて新作が並ぶ形となった。奇抜な意欲作はともかく、残りの2本は安定的な内容のタイトルではあるが、スタートダッシュがやや低めな感は否めない。

次回計測週では有名ロールプレイングシリーズの新作や人気アクションゲームの新作など、いくつかの注目新タイトルが発売を予定している。順位変動も十分考えられよう。